甘すぎてずるいキミの溺愛。
小町の言う通り旧校舎まで移動してるおかげで授業の時間が削れてなんともラッキー。
そのまま、何事もなく化学の授業は終わって、もう二度と旧校舎に来ることなんかないだろうって思っていたのに。
「あ、しまった!」
「どーしたの?」
放課後。
カバンに荷物を詰めていたとき大声を出してしまって、それに小町が反応する。
今日の化学の授業の復習を家でやろうとしてノートを持って帰ろうとしたのに、それが無いことに今さら気づいた。
あー、これは化学室に忘れたに違いない。
「小町ぃぃ……ノート化学室に忘れたぁ…!!」
「あらま、それは大変」
人ごとですか小町さん。
いや、そりゃ忘れたわたしが悪いんだけども!
「もうあんな遠いところまで行きたくないよぉ……」
「取りに行った方がいいんじゃない?課題も出てるし」
「うっ、やっぱりそうだよね」