甘すぎてずるいキミの溺愛。



何も知らなかった……。

もっと、早く知っていれば、尊くんにあんなこと言わずに済んだのに…。


「って、俺喋りすぎたねー」


重い空気だったのに、話終わった最後には、「あ、いま喋ったこと尊には内緒ね?」なんて戸松くんは笑っていた。


「あ、それともうひとつ」

「な、なに?」


「前にちらっと言ったけど。どうして尊が千湖ちゃんに構うと思う?」

「そ、そんなのわたしが知るわけないでしょ……」


それがわからなくて、こっちは悩んでるっていうのに。

すると、戸松くんの口から次に出てきた言葉はわたしにとって、とても酷なものだった。



「千湖ちゃんが昔の美郷に似てるからだよ」

「っ、」


な、にそれ……。


「似てるって言っても少しだけどね」


なんだかもう、この数時間でいろんなことをカミングアウトされて、キャパオーバーだ…。

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