甘すぎてずるいキミの溺愛。
わたしが否定すると、「そっか」とだけ言って、深くは聞いてこなかった。
これは、小町が気を遣ってくれたに違いない。
きっと、わたしの口から話すのを待っていてくれてるんだ。
そんな小町の優しさに救われた。
そして、ホームルームが始まるチャイムの音が鳴った。
「よーし、早く着席しろよー」
チャイムが鳴って少し遅れて、いつも通り先生が入ってきた。
みんなの視線が一気に前のほうに向く。
そんな中、わたしは下に俯いていた。
ホームルームなんて授業じゃないんだから、わざわざ真剣に聞く必要なんてない……。
だけど
今日は違った。
あの人の姿が見えるまでは……。