甘すぎてずるいキミの溺愛。



その時ふと我に返ってすぐに隣の席の尊くんに目を向けた。

……よかった、寝てる。


なんてホッとしている自分はどこまでも大バカだ。


ただ顔を伏せているだけかもしれない、声は聞こえているかもしれない。


もしかしたら、美郷さんが赴任してくることを知っていたかもしれない……。

2人が今お互いのことをどこまで把握しているのか……


そんなことわたしが知る由もないのに。


「えー、空園(そらぞの)先生はまだ今日赴任されたばかりだから、困っていたらお前らが助けてやるんだぞ。いいな?」


もう2度と会うことはないと思っていたのに。


……まさかこの学校に赴任してくるなんて。


しかもよりにもよって、わたしたちのクラスに。


何もかもが予想外すぎて、ついていけない。

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