甘すぎてずるいキミの溺愛。



「これ、一緒に職員室まで運んでもらってもいいかな?」

「あ、はい」


空園先生とふたりで職員室に向かう。

特に会話はしないけど、隣に並ぶのが嫌で少し後ろを歩く。


後ろから見ると、きれいな長い髪が揺れている。

服装もベージュのカーディガンに白のロングスカートというとても控えめな服装。

地味っていったら、地味かもしれないけど、雰囲気によくあっている。


「あ」

そんなことを考えていたら、突然声をあげて前を歩く先生の足が止まった。


「ど、どうかしたんですか」


何やら窓の外を見ているようで、先生の視線が向いている方に目を向けると。

「へぇ、まだ旧校舎あるんだ」

「え……?」


「あ、わたしね実はこの学校の卒業生なの」

「そ、そうなんですか……」


ダメだ、動揺するな自分。

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