甘すぎてずるいキミの溺愛。



「尊くんが女の子と出かけるなんて珍しいのよ?あの子昔から女の子に興味示さなくて。わたしが彼女作りなさい!って言っても全然気配がなくてね」


よく、そんなことが言えたものだ…。
尊くんの気持ちも知らずに……。


落ち着け……冷静になって。

これ以上、動揺なんか見せちゃいけない……。


「昔は可愛い感じだったのに今は顔が整ったイケメンくんになってもうびっくり」


あははっ、なんて無邪気そうに笑いながら楽しそうに話す声が、今は耳に入れることすらとても苦しい。


「って、わたしいきなり何話しちゃってるんだろう。ごめんなさいね、急に変な話しちゃって」

「い、いえ……」


「これで落ちた教材は全部かな?」


はい、と拾ってくれた教材を受けっとって、改めて先生の顔をはっきり見た。

あぁ……わかる気がする。
尊くんがこの人に惹かれるのが。

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