甘すぎてずるいキミの溺愛。
現実を突きつけられて。
「空園せんせーい!!ここの問題教えてください!」
「ん?どこかな?」
空園先生が赴任してきてから早くも1週間が過ぎた。
担当している数学の授業はわかりやすいと生徒たちの間では評判。
まだ赴任してきたばかりだっていうのに、すでに生徒のみんなに好かれていて、休み時間は空園先生の周りは生徒で囲まれている。
あの日の、空園先生の態度が全て嘘なんじゃないかって思うほど。
あのあと、「なーんてね?」と、ごまかすように笑っていたけど。
間違いなく、今みんなの前で見せている顔はほんとの顔ではない。
可愛くて、誰からも好かれる素敵な先生っていうのは周りが貼ったレッテル。
戸松くんの言う通り、どうやらみんなが思っているような人ではない。