甘すぎてずるいキミの溺愛。
いろいろ考え込んでも先に進まないので、とりあえず作業を開始した。
「ほら、尊くんもちゃんと花井さんのこと手伝ってあげてよ?」
別にいいのに。
わたし1人でやらせてくれれば。
すると、ずっと黙っていた尊くんが口を開いた。
「……先生、学校でそーやって呼ぶのまずくないんですか?」
「え?あっ、そうよね!尊くんじゃなくて…雪野くんかっ!」
なんだ……ようやく口を開いたと思えばそんなことか。
そして、わたしがチェックしていたノートの山を半分だけとって作業を開始した。
「ねぇ、尊くん」
「……だからその呼び方…」
「いいじゃない別に。今は花井さんしかいないんだし。ねっ?」
尊くんから目線を外して、わたしを見た。