甘すぎてずるいキミの溺愛。



「あっ、そうそう!これなんか、昔わたしが尊くんの家に泊まった時にこっそり撮ったの」

また、それをわたしに見せてくる。

そこには、無防備な寝顔を見せている尊くんの姿。


このわたしへの見せつけは……いつまで続く…?


ノートの山を手に取りながら、名簿にチェックを入れていくけど、持つペンが震えて先に進まない。


そんなのお構いなしで、空園先生は昔の尊くんのことばかり話す。

耳を塞ぎたい……この場から何か逃げられる方法は何かないかと考えた時。


「……美郷、いい加減にそーゆー話やめたら?」


尊くんの呆れた声が遮った。


だけど。


「あっ、尊くんだって今わたしのこと美郷って呼んだっ。いけないんだよ?先生のことそんな風に呼んじゃ」


そう言うと、空園先生は尊くんに近づいて。

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