甘すぎてずるいキミの溺愛。
「あれ、花井さん?」
突然呼ばれた声にハッとして、後ろを振り返った。
「あ……三宅…くん」
そこにいたのは三宅くんだった。
前に尊くんと言い合いになったときに一緒にいて、そのあと送ってもらった。
クラスが違うから、それから話すこととかなくて、ほんとに久しぶりだ。
「久しぶりだね」
「う、うん…久しぶり」
なんてタイミングで会ってしまったんだろう。
今は正直誰とも話したくないし、顔も見られたくない。
そんな余裕がわたしにはないから。
すると、そんなわたしを見て何かを察したのか。
「大丈夫…?」
ポンっと軽く三宅くんの大きな手がわたしの頭を撫でた。
そして。
「今はそっとしといたほうがいいかな」
またしても…気を遣わせてしまった。
その三宅くんの優しさが今は心に染みる。