甘すぎてずるいキミの溺愛。
だけどそう上手くはいかない。
尊くんの重さであんまり強く引っ張るとプリントが破けてしまいそう。
「うー、離してよ」
わたしがプリントを引っ張りながら尊くんの身体を揺すると
「……なーにしてんの」
むくっと顔を上げて、綺麗な瞳がわたしを捉えて、そのまま手をパシッと掴まれた。
尊くんの瞳に見つめられるだけで
尊くんの声を聞くだけで
尊くんの手が触れるだけで
━━いちいち心臓が音を立てる……
「プリント…あと尊くんのだけなの」
「うん、だから?」
「それわたしに渡してほしいの」
「やだって言ったら?」
ほら、イジワル。こんなこと言うの尊くんだけだもん。みんなちゃんと提出してくれるのに尊くんはそう簡単にはいかない。
「渡してくれないとわたし先生に怒られちゃう」
「へー、いいじゃん怒られたら?」
むっ……!今のはカチンときた。
だから思いっきり尊くんを睨んでやった。