甘すぎてずるいキミの溺愛。



「ほんとは、花井さんをここまで運んだの俺じゃないってこと」

「………え?」


いや、だって目が覚めたら1番に視界に入ってきたのは三宅くんだった。

倒れた後、たしかに誰かに運ばれた感覚はあったから。

まさか1人でここまで来たわけがない。


だったら一体誰が……。

「空園先生見てたと思うから、てっきり言ったのかと思ったけど…」


頭をガシガシかきながら、「やっぱり黙ってるのよくないし…」と独り言を呟いていた。


そして。


「花井さんをここまで運んでくれたのは……雪野くんだよ」


え、まって……ど、どういうこと?

さらに、頭が混乱してきた。


そんなわたしに三宅くんは更に話し続ける。


「ちょうど、花井さんが倒れた時、俺もその場にいたんだ。すぐに駆けつけようと思ったけど……誰よりも先に花井さんを助けに行ったのは雪野くんだった」

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