甘すぎてずるいキミの溺愛。
「自分勝手で散々千湖のこと振り回して、苦しい思いばっかりさせてごめん」
「そんなこと……っ」
「……こんな僕のそばにいてくれた千湖を、好きにならないわけなんかなかったのに」
もう……その言葉だけで充分だ。
いろいろあって、遠回りはしてしまったけど、今こうしてわたしのことを想ってくれている尊くんがいてくれればそれでいい。
だけど、ひとつだけ……。
どうしても腑に落ちないことがある。
それは、あの日の準備室での出来事。
あれは、間違いなく2人に何かあったとしか思えない。
それを尊くんに尋ねると。
「……それどこまで見た?」
なんかそれ空園先生にも似たようなことを聞かれたような気がするので、全く同じ答えを返すと。
盛大なため息が返ってきた。