甘すぎてずるいキミの溺愛。
ふと、ここでまたしても余計なことを思い出してしまった。
「ぴ、ピアス……!!」
間違いなく、今も2人とも耳にしているお揃いのピアスのことを今更ながら思い出した。
「あぁ、そういえば。わたしと尊くん同じピアスしてるもんねー」
わたしに見せつけるように、髪を耳にかける。
そのまま、顔を上げて尊くんの耳元を見てみると、やっぱり同じピアスをしていた。
この問題がまだ解決していない。
空園先生いわく、尊くんがプレゼントしたものだと言っていたけど
それだとしたら、今もこうして2人お揃いのものを身につけていられるのは、いい気がしない。
それは、単にわたしの心が狭いからだろうか……?
「あー、これ。別に千湖が嫌なら外すけど」
と、意外とあっさりした返答が返ってきた。