甘すぎてずるいキミの溺愛。
な、なんて人なんだ…。
悪びれた様子もなく、むしろにこにこ笑いながらそんなことを言ってくるとは。
わたしがひとりショボンっと落ち込んでいると。
「……ん、もう取ったから」
その様子に気づいた尊くんは
耳元のピアスを取っていた。
「え……いいの?」
「千湖を不安にさせたくないし」
そして、ボソッと「もし、自分がそーされてたら嫌だし」と付け足した。
「あーあ、やだやだ。見せつけちゃって。尊くん花井さんに甘すぎじゃない?」
はぁ、と先生がため息をついて、
呆れた様子でわたしたちを見ていた。
「……好きな子は特別なんで」
と言うと、わたしの手をギュッと握って学校を出た。
「尊くん、ほんとによかったの?」
帰り道、隣に並ぶ尊くんの耳元を見つめて、問いかける。