甘すぎてずるいキミの溺愛。



ダメだ、パニックだよ、パニック。

どうにかして、この状況を飲み込もうとしても、この人が喋れば喋るほど謎が深まっていく。


「えぇっと、この部屋は尊くんの部屋だと思ってたんですけど…」

わたしの口から尊くんの名前を出すと。


「あー、尊の知り合い?」

「え、尊くんのこと知ってるんですか?」


「知ってるもなにも、尊の兄貴だし」


アニキだし…??

アニキ……兄貴!?

ま、まさかこの人尊くんのお兄さんなの!?


「え……お、お兄さんですか!?」

「そーですよ」

どうりで尊くんにそっくりなわけだ。

そういえば、この部屋ってお兄さんがもともと使ってたんだっけ?

だから、この部屋の鍵を持ってたわけか。


「んで、キミは?珍しいこともあるんだね。尊がこの部屋に女の子連れ込むなんて」

連れ込むって。別に連れ込まれてるわけじゃないし。

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