甘すぎてずるいキミの溺愛。
「知ってるよ……だって同じクラスだもん」
「僕あんまクラスのことに興味ないからキミのこと知らない」
尊くんにとって今のはなんともない会話だったかもしれないけど
キミのこと知らないなんて言われたのは地味に傷つく。
同じクラスなのに、名前すら知られていないなんて……
自分の存在なんて尊くんにとってはちっぽけで、数いるクラスメイトのひとりにしかならない。
あぁ……ショックなんか受けちゃいけないのに…。
さっきよりも表情筋が動かない。
無理して、なんてことないって顔しようとしてもできそうにない……。
それは尊くんにも伝わったみたいで
「なんでそんな泣きそーな顔してるの?」
「っ、」
すぐ顔に出てしまう。
尊くんにとってわたしの存在ってものはとても小さい……。
それに比べてわたしにとっての尊くんは、今日出会った今この瞬間……とても大きなものになっていた。
その差がなんだかとても虚しい……。