甘すぎてずるいキミの溺愛。
眠る千湖に近づいてみた。
なんて気持ちよさそうに寝てるんだろう。あきらかに危機感ってやつを持っていないことを、この寝顔が証明してくれている。
「……こっちがどんだけ我慢してるかわかってんの?」
ふつーこんな状況だったら襲われても文句言えないから。
こっちの気も知らずに。
「……ふへへ」
軽く頬をつねると、なぜか笑った。しかもこの笑顔が普段見る笑顔とは違って、幼さがあって可愛い。
……なんでこんなハマってんのかな。
まさか、ここまで千湖にハマるなんてほんの少し前の自分じゃ考えられないだろうに。
もともと、千湖のことは興味本位だけで、何か特別な感情があったわけじゃなかった。
素直で、純粋。
まさに、そんな言葉が似合う。
僕が今まで出会ったことがない子。
だから、他の子より少しだけ興味があった。