甘すぎてずるいキミの溺愛。
「おー、こわっ。急に睨んでくんなよ。つかなんでそんな機嫌悪くなってんだよ?」
うーん、やっぱり朝早いから機嫌悪いのかなぁ。
まさかわたしが話しかけたからご機嫌斜めになったとか!?
え、それなら朝からなんともショックな出来事になってしま……
「……その千湖ちゃんって呼び方気に入らない」
「はぁ?急になんだよ。千湖ちゃんは千湖ちゃんだろ?」
うんうん、戸松くんは何も間違えてないよ?
それに戸松くんが千湖ちゃんって呼び始めたの今に始まったことじゃないし。
「……圭佑は花井さんって呼べばいいの」
圭佑(けいすけ)とは戸松くんの下の名前。
「はぁ?……あ、お前さては」
「……それ以上喋ったら殴る」
「それは困りますねー。お前昔から自分のもんに手出されるの嫌がるもんな?」
何やらニヤニヤしながら戸松くんが尊くんをツンツンつついていた。