甘すぎてずるいキミの溺愛。
「……こっち見すぎ」
「へ……?」
あぁ、やっちゃった。
完全に尊くんに夢中になって、手が止まっていた。
「千湖のサボり」
「なっ!さ、サボってなんかないもん」
「嘘つき。さっきからペンが動いてない」
「うっ」
普段おサボりしてる人にサボり扱いされてしまった。
「……僕もう終わったから帰る」
「え、え!?」
この人もう終わったって言った!?
嘘でしょ、嘘だ嘘だ!
「解いてみたら案外簡単だった」
「適当に解いたんじゃ……」
疑いの目を向けると。
「ちゃんと解いてるけど」
「げっ……筆記体」
たしかにちゃんと解いていて、全部埋まっていた。しかも綺麗な筆記体で。
この人いったい何者だ?
「んじゃ千湖はひとりで頑張って」
「か、帰っちゃうの?」