甘すぎてずるいキミの溺愛。
とっさに尊くんの制服の裾を掴んでしまった。
「だってもう終わったし」
「そ、そうだよね」
引き止める理由なんか何もない。
ほんとはもう少し一緒にいたかったのに。
掴んでいた手を離そうとしたら
そのまま尊くんが手を重ねてきて
「千湖は僕にどーしてほしい?」
きっともっと一緒にいたいって自分の顔に書いてある。
尊くんはそれをわかっていてそんなこと聞いてくるんだから。
「ま、まだ帰らないでほしい…っ」
「……どうして?」
「わかってるくせにっ…!」
「ふっ……どーだろ?」
この余裕な笑みに逆らうことはできない。
「じゃあ、もっと可愛くおねだりしてよ」
「は……?」
「可愛くおねだりできたら一緒にいてあげる」
「っ、」
か、可愛くってどうお願いしたらいいのさ…!
あたふたして頭の中をフル回転させて
何が可愛いのかを考える。