甘すぎてずるいキミの溺愛。



「……ビター嫌いって言ってるじゃん」

わたしがあげたチョコレートを見るなり不機嫌そうな顔でこちらを見る。


「尊くんがイジワルするからだよ」


ほんとはミルクも持ってるけど、今日は尊くんにイジワルされたからそれのお返しでビターをあげた。


「……じゃあ、イジワルしなかったら甘いのちゃんとくれる?」


そう言って、寝ていた身体を起こして
不敵な笑みを浮かべながら


「……おいで、千湖」


その余裕な表情は、呼んだら絶対わたしがくると確信している。


いつもそう、尊くんはこの部屋にいる時だけわたしに触れようとしてくる。


甘い顔をして、甘い声で……。


その危険な囁きにいつも惑わされてしまう自分はほんとにバカ。


何も言わず、少しずつ尊くんとの距離を詰める。

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