甘すぎてずるいキミの溺愛。
***
「ふぁぁぁ終わった……」
尊くんが教えてくれたおかげで、あっという間に終わってしまった。
わたしが悩んでいたあの時間はなんだったんだっていうくらい教えるのが上手だった。
「尊くんありがとう!」
「どーいたしまして。よく頑張ったじゃん」
ポンポンっと軽く尊くんの手が頭を撫でてくれた。
いつも意地悪ばっかりな尊くんなのに
今日は意外と優しかったり。
こんな風に……みさとさんにも優しくしてたのかな…。
せっかく、さっきまで忘れていたのに思い出してしまった。
それを表情や態度に出したくなくて、無駄に元気に振る舞おうとする。
「ま、また明日も補習頑張ろうね!」
「……明日からサボる」
「うん、サボろうね!……えぇ!?」
「明日からひとりで頑張りなよ」
そのまま、カバンを持って教室を出て行こうとする。