甘すぎてずるいキミの溺愛。



あと少しってところで動きをピタッと止めると……


「……ダメでしょ、もっとおいで」


そう言いながら簡単にわたしの手を掴んで、引き寄せて、そのまま尊くんが座る隣に座らせられた。


肩と肩がぶつかる。それくらい今わたしと尊くんの距離は近い。


ただでさえ近くて心臓がバクバク動いてるのに、尊くんはそんなのお構い無しで……。


「……あー、千湖のこと抱きしめるとなんか落ち着く」


そんなことを言って、わたしを抱きしめる尊くんは確信犯。


「っ……ち、近いよ」

「千湖から近づいてきたんでしょ?」


「そ、それは尊くんが呼ぶからだもん…」


「へー、じゃあ僕が呼ばなかったらこないんだ?」


「っ、」


わかってるくせに。
わたしの気持ちを知ってて、こうやって揺さぶってくるんだから。

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