甘すぎてずるいキミの溺愛。
あんまり余裕がなさそう。
風邪引いてるときってみんなこんな感じなのかな?
「どうして?だるくて1人じゃ布団に戻れないんでしょ?」
「戻る……戻れる。ってか千湖に触られたら余計大変なことになる」
え、何気に傷ついたよ?
わたしが触ったら大変なことになるだって?
一体、わたしが何をしたというのですか?
「……ほんと、少しは危機感持ちなよ」
そう言って、わたしから離れて自力で布団がある部屋に戻っていった。
1人ぽつーんと取り残されてしまったわたし。
そういえば、わたしいま尊くんの家にいるんだ。
今更ながら、自分の状況をはっきり理解した。
「無駄なものないなぁ」
シンプルな部屋。
置いてあるものは必要最低限のものだけ。