とろけるようなキスをして[短編]完
「愁‥‥」
そう言って私は、川上 愁の手をギュッと握る。
『あやちゃん!?』
「なあに〜?」
『手‥‥//』
「イヤなの‥?」
目に涙を溜めて、上目遣いで川上 愁を見つめる。
『っ‥//ぜ、全然っ!!
むしろ嬉しいですっ!!』
「だったらいいでしょ‥?」
私は川上 愁の胸に頬を寄せ、背中に手を回す。
川上 愁、もとい、愁がビクッとしたのが分かった。
「ねぇ‥愁〜?」
呼んでも返事がない。
「愁?どうし‥『あ゙〜〜〜っ!!!』
Σっ!?な、何!?
『ああああやちゃん!ちょっと待ってて!!
すぐ戻ってくるから!!』
そう言って、愁は屋上から出ていってしまう。
どうしたんだろう‥?
しばらくすると、愁が戻ってきた。
さっきとは違う、いつもの愁で。
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