とろけるようなキスをして[短編]完
もう!何なのよ!そんなに言えない理由なの!?
「言わないと別れ『Σ言います言いますっ!』
「じゃあ早く言って。」
『‥‥言うけど、さ‥。
あやちゃん、絶対に笑わないでよ?』
っていうか、ただ『沙織ちゃんに照れちゃいましたー』って言うだけなのに、
どこにそんなお笑い要素が出てくるんだろう?
「はいはい。笑いませんよ。」
そして、愁はあの日の公園でのことを話しだした。
『学校の帰り道でさ、ちょうど沙織ちゃんに会ったんだ。
沙織ちゃんはクラスメイトでさ、けっこう話す方だったから、
公園に寄ろうって言われたとき、深く考えずにOKしたんだ。
それで、告白されたんだけど断ったんだ。
好きな人がいるから、ってさ。
そしたら、さ‥‥‥
沙織ちゃんが言ったんだ。
「好きな人って渡瀬さんでしょ?‥‥分かってたよ。
2人ってスゴイお似合いなんだもん。
まだ付き合ってないなんて信じられないよ。
愁くんも、頑張って告白してね!」って。
だからオレは、うんって頷いたんだ‥』
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