とろけるようなキスをして[短編]完

 
教室に来て、私とさっきのような会話をして終わり。
 
 
最初はウザイ奴だな、としか思ってなかった。
 
フラれたくせに毎日会いに来るなんて、ストーカーかと思ったくらいだ。
 
 
 
でも、いつの間にか好きになってた。
 
 
いつもはヘラヘラしてるのに、たまに見せる真剣な顔とか。
 
 
私が教科書を忘れて困っていた時、自分も次の時間にその教科書を使うのに、
 
『あやちゃんのためなら教科書なんていらない!』
 
とか言って、貸してくれたりする、優しいところとか。
 
 
アイツのことを思い出すだけで、胸がキューっとなる。
 
 
 
早く告白をすればいいんだと思う。
 
でも、告白なんてしたことないし、そんな勇気もない。
 
それに‥最初に告白断ったくせに、いまさら好きなんて言えない。
 
毎日私の教室には来るけど、今も私のことを好きなのかは分からない。
 
 
だって‥
 
告白の日以来、好き、とか付き合って、とか言われてない。
 
 
それでも毎日教室に来るから、私のことまだ好きなのかな?って期待しちゃう。
 
 
ねぇ。私、期待してもいいですか‥‥?
 
 
.
< 3 / 21 >

この作品をシェア

pagetop