とろけるようなキスをして[短編]完
そして私は、公園であったことを美砂に全て話した。
美砂は私が話し終わるまで、黙って聞いていてくれた。
全て話し終えると、『つらかったね‥』と言って抱きしめてくれた。
「美砂ぁ‥私、アイツのこと‥‥好きなのにっ
諦めなきゃ、いけないっ」
そう途切れ途切れに言った私に、
『それでいいの?』と美砂は言った。
「いい訳、ないでしょ!!
でも‥私にはもう何も出来ないよ‥
だから‥‥
アイツのことは、諦めるよ。」
『でも!まだ本人の口から聞いた訳じゃないんでしょ!?
だったら―――「今はまだ無理だけどさ、忘れてみせるよ!絶対っ!!」
美砂の言葉を遮り、精一杯の強がりを言った。
美砂‥‥ホントはね、
全然、忘れられそうもないんだ‥。
きっと美砂は私の強がりに気付いてる。
だからそれ以上何も言わないんだ。
ごめんね、美砂。
今は。今だけは、美砂の優しさに甘えちゃうね。
教室に戻ったら、笑えるように頑張るからさ。
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