ホストくんの悩み
ホストくんの悩み 1

俺の名前は、長谷 翔太[Hase Shota]。


歌舞伎町でホストをやっている。
自慢ではないが、俺が働いているクラブ《シャルレーゼ》のNo.1ホストだ。
いつも俺の横には美女がいて、お金もそこそこ。同僚とも上手くやっている。


そんな俺に、悩みなんてないと思うかもしれないが…
俺、長谷 翔太。現在進行形で悩んでます。



ーーーーー
ーー





モニタに写し出された01:15にため息をつく。
俺は、今、自室のパソコンのキーボードを叩いている。




[ 女子高生 _拾う_対処の仕方_]




もちろんパソコンのモニタには、おじ様向けのいかがわしい記事がずらりと並ぶ。


俺はどちらかと言うと、年上のお姉さんだっつーの。いやいや。そんな場合じゃない。
こんな検索ワードじゃ、ヒットするわけねぇよなぁ、、、。


恐る恐る、俺の後ろにいる彼女を、モニタ越しに見る。
彼女は俺の入れてあげたブラックコーヒーを両手で持ち、三角座りをしながら、ちびちびと飲んでいる。


さ、三角座りなのか、こいつ!
パ、パンツが見えるんじゃ、、、
おい!
しっかりしろ俺!今、大人としてのなんかを失いかけたぞ。
JK、恐ろしや。




ズズっー




彼女がすするブラックコーヒーの音がやけに耳にまとわりつく。


はぁー、なんで俺が女相手にこんな緊張しないといけねぇんだ!馬鹿馬鹿しい!


だ、だが、顔を見るのはなんか気まずい。
俺は、モニタに顔を向けたまま、彼女に聞いてみた。




「あのー、もうそろそろ事情を説明してくれる気になりましたかね?」



「…まだ、なんない」



彼女は、ぼそっと呟くと、三角座りのまま後ろを向いた。


彼女が着ている制服を見る限り、近所のなんとか坂、っていうお嬢様学校だろう。


なぜお嬢様がホストの家に、、、
俺はもう1回さっきの出来事を振り返ってみることにした。
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