風の言の葉(詩)
波の音が心に響く
僕は独り
この海を見つめて
佇んでいるよ

遠い遠い地平線
海と空の蒼が重なってしまいそうで
それでもひとつにはなれないけれど

今思い出したよ
ずっと昔大切なモノを
失ったこと・・・

海底に深く沈めてしまった
記憶には

もうこの手は届かない

この透明な水をすくって
どこかに運ぼうとしても
なぜかこぼれ落ちて
うまくつかめないね

「ねぇ・・・」

呼びかけても誰も答えてはくれなくて
僕は独り
この果てしない地平線の彼方を
彷徨っている
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