All I want for Christmas is YOU ~クリスマスに欲しいのはあなだだけ~
それから何度か講義で顔を合わせるようになり、私は樹とその友達の裕也と挨拶をするようになった。

樹のまわりには、派手で香水の香りがする女の子がいつもいたが、素朴な私にホッとするのか講義で私を見ると、樹は必ずといっていいほど、私の隣の席にやってきた。
そして、樹の周りにいるような女じゃなかったことがよかったのか、私達4人はよく行動を共にするようになった。


「美亜。おはよう」

「おはよう。樹。今日も大変そうだね」

苦笑しながら言う私を見て、樹も少し困ったように微笑んだ。

「いくら誘ってもらっても、俺は一緒に行かないんだけどね。気持ちは嬉しいけど」
遊びに行こうとか、ご飯に行こうという誘いばかりなんだろう樹は軽く息を吐くといつものように私の隣に座った。

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