初夏猫
ワタシは高知県の種崎海水浴場の海岸沿いの防風林の松林を住処にしているノラネコだった。
その松林にはワタシ以外にも沢山の猫達が住んでいた。
ワタシは松林の中に点在するニンゲンのお墓からお供え物を失敬したり、
ニンゲンに食べ物をもらって生活していた。
台風の翌日などは浜辺に打ち上げられた新鮮な魚などを食べることもあった。
ノラネコだけれどこのあたりの猫はみんな食べ物には困らなかった。
それなりに楽しく暮らしていたのだ。