〈BL〉永遠に君を愛してる
第三話∝噂
一週間ぶりに職場に行くと
結華が年輩の教師二人に
囲まれていた。
一体、何が?
『吹屋先生、おはようございます。
あれはどういうことなのでしょか?』
「どうやら、君達が
付き合ってるんじゃないかと
噂になっていてね。
それで早く来た居福先生が
捕まってしまったんだよ 」
待て待て、僕達は学校で
そういう雰囲気
を出したことはないはずだ。
『何処からそのような噂が?』
「多分、皇先生の退院が
きっかけだと思う」
結華が休みを取ってまで
迎えに来たから?
それだけで疑うか?
「あと、これは俺の勘だが、
煤木野先生は
居福先生のことが好きなんだと思う」
はぁ~⁉
親子ほどの年の差があるだろう⁉
いや、恋するのに
年の差は関係ないか……
悪いけど結華は渡さない‼
『とりあえず、
居福先生を救出してきます』
吹屋先生にそう告げ、
一旦、自分の席に鞄を
置いてから結華達に近付いた。
『煤木野先生・何志先生、
おはようございます。
居福先生もおはよう』
結華には今日
二度目の《おはよう》だ。
よそ行きの笑顔で三人に
近付くと僕にしか
わからない程度で結華が
しかめっ面をした。
結華曰く胡散臭いとのことらしい。
「皇先生、おはようございます」
最初に答えたのは何志先生の方だ。
『二人がかりで居福先生に
迫っている理由(わけ)を
訊いてもよろしいでしょうか?』
吹屋先生は僕達の
動きを見守っている。
『いやね、一昨日、
居福先生のお宅に伺ったら
出掛けていると言われたので
どちらにいたのかと思いまして』
煤木野先生の言葉に耳を疑った。
結華の実家に行った?
わざわざ、週末に?
誤魔化してくれた
お義父さんとお義母さんに
感謝しなきゃね。
『一昨日なら僕の家に
《泊まって》いたので
家にいなかったんですよ』
本当は一緒に住んでいる。
四六時中一緒とは
こういうことだよね(笑)
結華のいう胡散臭い
笑顔を張り付けたまま僕が答えた。
「お二人は仲がよいのですね」
そんなのは今更だろう。
校内でも一緒にいることが多いんだ。
揺さぶりをかけて
僕達の関係を
探ろうとしているのが
言葉のニュアンスで分かる。
『えぇ、お互いの家に
泊まるくらいには仲がいいですよ』
実際、何度か結華ん家に
泊まったことはあるし、
お義父さんとお義母さんは
僕達の関係を認めてくれている。
結華は僕達の会話の
内容の真意に気付いていないだろう。
そもそも、学校に着いて早々
二人に囲まれた意味も
分かっていないだろう。
どうするか……
この先のことを
考えると迷うところだ。
僕のことはいい。
だけど、結華のことを考えるとねぇ……
チラッと時計を見ると
そろそろ、生徒達が
登校してくる時間だ。
あの後、どうなったかといえば、
僕達の関係がバレることはなかった。
時間がなかった
というとのもあったし、
あのメンバーの中で最年長の
吹屋先生が最終的に
間に入って止めてくれたからだ。
その日の夜、
結華に今朝の理由を話すと
やっぱり、二人に囲まれた意図に
気付いていなかったらしく
心底驚いていた。
『そうだ柚夜、
あの店員さんに
お礼に行こうと思うのですが
何時がいいですかね?』
あの時の……
『お店に確認したところ、
今週は土日両方
いらっしゃるとのことでした』
いつの間に店に電話したんだ?
『そうだね、じゃぁ
土曜日に行こうか』
日曜だと何かと疲れるからね(苦笑)
『では、そうしましょう』
結華の笑顔が何処か
ぎこちなく見えるのは
気のせいじゃないよな?
『結華、どうしたんだい?』
『いえ、私が鈍感なのは
自覚していたのですが
まさか、煤木野先生が私を好いて
いるとは思いもしませんでしたし、
その思いにお応えできないので
明日からどうしたものかと思いまして……』
成る程、二人の席は
近いから尚更だろう。
『それはしょうがないんだし、
普通にするしかないんじゃないかな』
『ですよね……柚夜、愛しています』
珍しいな、結華から言ってくれるなんて。
何時もは恥ずかしがって
中々、言ってくれないからね。
『僕だって愛しているよ、
世界で結華だけどを。
それから、君を誰かに
渡すつもりはないよ』
最悪、学校を
辞めることになっても
結華は僕が守る。
それとも……
『いっそのこと
バラしてしまうかい?(笑)』
あの感じだと
吹屋先生は気付いているだろうし、
煤木野先生へ結華が
僕のものだってことを
思い知らせたい。
『そ、それは学校に
迷惑がかかるのでは?』
焦る結華を抱き締めて
落ち着かせ、提案にもなってない
提案をしてみた。
まず、話すのはあの三人だけ。
場所は
う~ん、どうしようか?
しょうがない、此処でいいか……
『あなたがそう
言ってくださったので
私からもお伝えしましょう』
うん? 何を?
『何志先生は
“あなた”が好きなのですよ。
ですが、私もあなたを
渡す気はさらさらないですからね』
結華が年輩の教師二人に
囲まれていた。
一体、何が?
『吹屋先生、おはようございます。
あれはどういうことなのでしょか?』
「どうやら、君達が
付き合ってるんじゃないかと
噂になっていてね。
それで早く来た居福先生が
捕まってしまったんだよ 」
待て待て、僕達は学校で
そういう雰囲気
を出したことはないはずだ。
『何処からそのような噂が?』
「多分、皇先生の退院が
きっかけだと思う」
結華が休みを取ってまで
迎えに来たから?
それだけで疑うか?
「あと、これは俺の勘だが、
煤木野先生は
居福先生のことが好きなんだと思う」
はぁ~⁉
親子ほどの年の差があるだろう⁉
いや、恋するのに
年の差は関係ないか……
悪いけど結華は渡さない‼
『とりあえず、
居福先生を救出してきます』
吹屋先生にそう告げ、
一旦、自分の席に鞄を
置いてから結華達に近付いた。
『煤木野先生・何志先生、
おはようございます。
居福先生もおはよう』
結華には今日
二度目の《おはよう》だ。
よそ行きの笑顔で三人に
近付くと僕にしか
わからない程度で結華が
しかめっ面をした。
結華曰く胡散臭いとのことらしい。
「皇先生、おはようございます」
最初に答えたのは何志先生の方だ。
『二人がかりで居福先生に
迫っている理由(わけ)を
訊いてもよろしいでしょうか?』
吹屋先生は僕達の
動きを見守っている。
『いやね、一昨日、
居福先生のお宅に伺ったら
出掛けていると言われたので
どちらにいたのかと思いまして』
煤木野先生の言葉に耳を疑った。
結華の実家に行った?
わざわざ、週末に?
誤魔化してくれた
お義父さんとお義母さんに
感謝しなきゃね。
『一昨日なら僕の家に
《泊まって》いたので
家にいなかったんですよ』
本当は一緒に住んでいる。
四六時中一緒とは
こういうことだよね(笑)
結華のいう胡散臭い
笑顔を張り付けたまま僕が答えた。
「お二人は仲がよいのですね」
そんなのは今更だろう。
校内でも一緒にいることが多いんだ。
揺さぶりをかけて
僕達の関係を
探ろうとしているのが
言葉のニュアンスで分かる。
『えぇ、お互いの家に
泊まるくらいには仲がいいですよ』
実際、何度か結華ん家に
泊まったことはあるし、
お義父さんとお義母さんは
僕達の関係を認めてくれている。
結華は僕達の会話の
内容の真意に気付いていないだろう。
そもそも、学校に着いて早々
二人に囲まれた意味も
分かっていないだろう。
どうするか……
この先のことを
考えると迷うところだ。
僕のことはいい。
だけど、結華のことを考えるとねぇ……
チラッと時計を見ると
そろそろ、生徒達が
登校してくる時間だ。
あの後、どうなったかといえば、
僕達の関係がバレることはなかった。
時間がなかった
というとのもあったし、
あのメンバーの中で最年長の
吹屋先生が最終的に
間に入って止めてくれたからだ。
その日の夜、
結華に今朝の理由を話すと
やっぱり、二人に囲まれた意図に
気付いていなかったらしく
心底驚いていた。
『そうだ柚夜、
あの店員さんに
お礼に行こうと思うのですが
何時がいいですかね?』
あの時の……
『お店に確認したところ、
今週は土日両方
いらっしゃるとのことでした』
いつの間に店に電話したんだ?
『そうだね、じゃぁ
土曜日に行こうか』
日曜だと何かと疲れるからね(苦笑)
『では、そうしましょう』
結華の笑顔が何処か
ぎこちなく見えるのは
気のせいじゃないよな?
『結華、どうしたんだい?』
『いえ、私が鈍感なのは
自覚していたのですが
まさか、煤木野先生が私を好いて
いるとは思いもしませんでしたし、
その思いにお応えできないので
明日からどうしたものかと思いまして……』
成る程、二人の席は
近いから尚更だろう。
『それはしょうがないんだし、
普通にするしかないんじゃないかな』
『ですよね……柚夜、愛しています』
珍しいな、結華から言ってくれるなんて。
何時もは恥ずかしがって
中々、言ってくれないからね。
『僕だって愛しているよ、
世界で結華だけどを。
それから、君を誰かに
渡すつもりはないよ』
最悪、学校を
辞めることになっても
結華は僕が守る。
それとも……
『いっそのこと
バラしてしまうかい?(笑)』
あの感じだと
吹屋先生は気付いているだろうし、
煤木野先生へ結華が
僕のものだってことを
思い知らせたい。
『そ、それは学校に
迷惑がかかるのでは?』
焦る結華を抱き締めて
落ち着かせ、提案にもなってない
提案をしてみた。
まず、話すのはあの三人だけ。
場所は
う~ん、どうしようか?
しょうがない、此処でいいか……
『あなたがそう
言ってくださったので
私からもお伝えしましょう』
うん? 何を?
『何志先生は
“あなた”が好きなのですよ。
ですが、私もあなたを
渡す気はさらさらないですからね』