俺を好きにならないで
「俺のこと……」


「……っ!!」



耳元で囁く彼の声はいつもと少し違って、低くて真剣で、私の体はゾクゾクした。








「好きになった?」








そんなことを聞くなんてずるい。


もし、これに「うん」と答えたら彼は何というのだろうか?


振られるの?


それとも受け入れてくれるの?


ううん。受け入れるなんてない。


だって彼は最初から言ってたもの。





「好きにならないで」と。
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