俺を好きにならないで
近くにあったティッシュでテーブルにこぼれた飲み物を拭く。


そんなに量はなかったのですぐに拭き取る。



「飲み物入れ直してくるね」


「あ、私がやるよ」


「いい。待ってて」



そう言って深見くんは部屋から出ていくが、いてもたってもいられなくて私は後を追いかけた。



「やっぱり手伝うよ。私がこぼしたわけだし」


「いいって言ったのに」


「お願い。やらせて?」



2階から1階に降り、深見くんの後を付いて行きながらリビングへ入る。


リビングは明るく、とても風通しの良いところだった。


ここで深見くんは生活してるのかと思いながら彼と並んで飲み物の準備をする。


シーンと静まり返ったこの場所でいつも賑わっているんだろうな。


と思ったところでふとソファーの上にあるものに目が行った。
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