俺を好きにならないで
「プレゼントで弟に買ってあげるって優しいお兄さんだよね」


「そう……だね」


「でもあの人いい人だったな。私が走ってあんなことしちゃったから仕方なく買ったかもしれないけど」


「…………マジかよ」



苦い表情をする彼。


やっぱり私の行動に引いたのかな。



「ははっ。やりすぎだよね幾ら何でも」



考え出したら一直線！とよく言われる私。


これからの行動に気をつけなきゃ。



「いや、そうじゃない」


「？？」


「あのさ。実は……」



深見くんがなにか言おうとしたところで、玄関の方からガチャりと鍵が開き、ドアが開く音がした。


恐らく家の人が帰ってきたのだろう。


深見くんの家に行く前の緊張が再び私を襲う。


誰かわかんないけど家の人に会うんだ。


ちゃんとしなくては。



「ただいま〜」



そうして顔を見せたのは……。
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