俺を好きにならないで
「あの、お手伝いします」


「え?いいのよ。美紅ちゃんはお客さんだから」


「でも荷物とか重そうだし、持ちます」


「そう?じゃあこれを台所に持っていってくれる?」


「はい!」


「……なによ。超絶にいい子じゃない。湊には勿体ないわ」


「いや、そんな勿体ないだなんて」



むしろ私が深見くんと一緒にいられる方がなんだか勿体気がする。


さっきも色々失敗しちゃったし。


台所に荷物を置いた所で、また玄関の方からドアの開く音がした。


今度は両親だよねきっと。


深見くんの両親に会うなんて緊張する。


でも、第一印象が重要だものね。


気を引き締めなければ。


私は玄関の方に向かって体制を整えた。



「ただいま〜」


「え……」


そう言って入ってきた人は……。
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