俺を好きにならないで
日付は今より少し遡る。



12月に入ってすぐのこと。



この日はかなりの冷え込みで俺は耐えきれず、温かい飲み物を買いに行った。


自販機の前で悩むこと2分。


迷った末ココアを買うと、俺が買ったと同時に「売り切れ」に赤く光が灯る。


最後の1本だったのかと思いながら教室に帰ろうと歩き始めた時だった。


後ろからパタパタと走る音が聞こえ、少ししてから「うぅ……飲みたいものがない」と女の子の声が聞こえてきた。
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