俺を好きにならないで
「湊?」



その名前を聞いたあと、教室に戻った彼は何人かに深見くんの行方を聞いているようだったが、結局私たちと同じ結果だった。



「ごめんね。湊、どこか行ってるみたい」


「そう……ですか」



彼はココア王子なのだろうか?


その真相を確かめたいが、探し人は姿を現さない。


まぁ、また来たらいいか。



「あ、あの。わざわざありがとうございました」



美形さんにお礼を言って立ち去ろうとした時だった。



「あれ?ココアの子だ」


「え?」



聞き覚えのある声。


後ろを振り返るとそこにはココア王子が立っていた。
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