俺を好きにならないで
「まさか深見……えっと。湊くんのお兄さんだと思いませんでした」


「俺もびっくりだよ!」



なんで。


なんでこのタイミングで俺のこと名前で呼ぶの?そんなのずるいよ。



「ねえ、もしかして……湊の彼女?」


「えっ!?ち、違いますよっ!友達です友達!」



そんなに全力で否定しなくてもいいじゃん。


まあ、実際に彼女じゃないけど。


否定をした美紅の顔は真っ赤でなんだか妬けた。


そんな顔、兄貴の前でしないでよ。



「ね、深見くん?私たち友達だよね?」



そんな顔を真っ赤にしてうるっとした瞳でじっと俺を見つめないで。
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