俺を好きにならないで
8.伝わらないなら伝えればいい
「俺は友達だなんて思ったことない」



深見くんはそう言って私の前から居なくなった。


多分、部屋に戻ったのだと思う。


まさか否定されると思ってなくて頭を鈍器で殴られたような気分だった。


友達じゃないなら私達はいったいどういう関係なの?



「あー……。美紅ちゃん?」



颯さんが心配した表情で私に声をかけてきた。


でも私はあの発言の意味を聞かなきゃって思っていた。


どうしてそんなこと言ったのか全然わからなかったから。


聞かなきゃってあんな辛そうな表情で言った意味を。



「すみません。私、ちょっと深見くんの所に行きます!」



私は先程まで一緒にいた深見くんの部屋へと彼を追いかけた。
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