俺を好きにならないで
「じゃあ嵐」


「物騒だよ!?」



深見くんに更にツッコミを入れる。


こんなに動揺しているなんて珍しい。


そんなことを思ってると不意に彼は私の手を握ってきた。


両手でギュッと握りしめ、離さないと言われているよう。


「美紅」


「なに?」


「本当に本当なの?」



それは私が深見くんを好きということだろうか。


嘘は言ってない。


私は自分の素直な気持ちを言ったまでだ。


だから肯定の意味も込めて縦に頷く。



「信じられない……」


「突然言われても信じられないよね。でも本当に本当だよ」


「…………」



また、黙り込んでしまった。


必死で伝えたつもりだけど、信じてもらえただろうか。


彼の次の言葉を待っていると……。



「信じる時間をください」



なんて言われてしまった。
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