俺を好きにならないで
そっと彼の顔を見る。


どんな表情をしているのか気になったから。


顔を真っ赤にさせて口元を手で覆う彼の姿が見えた。


困っている。


完全に困っている。



「ごめんね!変な事言って。えっと、その!気にしないで」



困らせたかったわけじゃない。


だからそんな表情見せないで。



「……変だとは思ってない。ただ」


「た、ただ?」


「嬉しい……です」



ぶわっと自分自身の体温が上昇するのを感じた。
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