俺を好きにならないで
「なら、ついて来て?」


「うん?…………えっ!」



彼はあろう事か、私の手を握って廊下を歩き出した。



ドキドキしないわけがない。


握られた手から私のこの胸の鼓動が伝わらないか心配になる。


それくらい心臓はバックバクだった。


廊下ですれ違う人達は私たちのことをめちゃくちゃみており、顔が上げられなかった。


いいの?それでいいの?と深見くんに聞くことも出来ず、ただただ彼のあとをついて行った。
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