俺を好きにならないで
そしてついた場所はココアをもらったあの自販機。


そこでやっと彼は私の手を離した。


離した瞬間少し寂しくなったのは内緒だ。



「えっと……なにか飲み物買いにきたの?」


「うん」



何を買うんだろう?


というか、私必要かな?なんて思いながら彼の行動を観察していた。


深見くんはお財布から小銭を取り出し、自販機でココアを買った。


ガコンっと音を立ててココアが出てくる。


それを取り出したかと思うと、私に渡してきた。



「え?な、なに?」


「ココア。あげる」


「何故!」



急にここに来たかと思えば私にココアをくれる。


彼の行動が分からない。
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