俺を好きにならないで
放課後、深見くんは宣言通り教室まで迎えにきた。


「美紅」だなんて名前を呼ばれたため、クラスの女子たちが騒ぎ出し、逃げるように彼と教室を離れた。


今更ながら、りっちゃんが有名人と言っていたことに納得をする。


今まであまり意識してなかったが、深見くんはモテるようだ。


そして今、そんなモテる深見くんとオシャレなカフェにいる。


カウンター席しか空いていなかったため、深見くんと隣同士で座っているのだが。


店内はそう広くないため距離が近い。



「美紅、何飲む?」



耳元で囁くように彼に問われ、ドキドキしている。


平常心、平常心!



「えっとー……ハニーミルクティにしようかな」



手元のメニューから飲み物を選ぶ。



「すみません。ハニーミルクティとアールグレイを1つずつ」



彼は自然に私の分まで店員さんに注文をしてくれた。
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