俺を好きにならないで
「あ、私の分までありがとう」


「うん」


「えっと……このお店よく来るの?」



手馴れた感じで席を取り、注文をするもんだから質問をしてみた。



「ううん。初めて」


「え?そうなの?」


「俺が誘ったし、こういうところを好むかなと思って」



お茶に誘ったのは自分だからと色々と調べてくれたんだ……律儀な人だ。



「気に入ってくれた?」



少し不安そうな顔で私のことを見る。


その表情が可愛いと思ってしまった私は少し笑って彼に言った。



「うん。ありがとう」



素直に嬉しかった。
< 37 / 198 >

この作品をシェア

pagetop