俺を好きにならないで
彼にとっては何でもないことかもしれないけど、ひと口ちょうだいってそれはもう……か、間接キッスじゃないの!?


意識しているのは私だけ?


特に表情を変えない深見くんはなんとも思ってないの?


恥ずかしくてどこ見たらいいのかわからず、思わず俯く。


その間に彼は私のハニーミルクティを手に取る。



「飲んでもいい?」


「え……あう。うん、飲んでいい……よ」



彼の方に顔が向けられない。


今私の顔はきっと赤いし、どんな表情をしたらいいのか分からない。



「あ。もしかして」


「??」





「ドキドキしてる?」





私の耳は彼の吐息を感じた。
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