俺を好きにならないで
「いえ。そんなに謝らないでください。手がぶつかっただけですし」


「そ、そうなんですけど……」


「それと……はい。テディベア」



彼は私にテディベアを渡してきた。



「え?このテディベア、貴方も欲しいのでは?」


お店に並んでいるテディベアは1つしかない。


店員さんに聞けばもしかしたら在庫があるかもしれない。


だけどこの時はそんなことに頭は回らず、この人も欲しいはずなのに譲ろうとしていることに対して申し訳ない気分になっていた。



「いいんです。見ていただけですから。では……」


「待ってください!!」



私は思わずその人のことを大声で呼び止めていた。



「あの。時間ありますか?」


「え?」


「少しだけ。本当に少しだけ待っていてください!」



そう言って私はテディベアを持って走り出した。


走ってる最中、りっちゃんに電話をかける。


今どこにいるのか確認してりっちゃんと合流した。
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